再会(もとい再開?)

気がつけば,前記事から1年以上経過。 その間に家族も1人増え,絵本を物色するようになりました。 そんなとき,懐かしの絵本と再会。 ふしぎなえ (日本傑作絵本シリーズ) 作者: 安野光雅 出版社/メーカー: 福音館書店 発売日: 1971/03/01 メディア: 単行本 …

逢魔が刻?はたまたコミカル?

桜の花びら舞い散る、あたたかい夜の話。夕飯の買い物をおえ,家路を急いでいた。 家路の途中に,6車線もある道路を渡るために、歩道橋がある。 私は,重い袋をかかえながらそれを登っていた。突然,足もとをすり抜けていく黒い影。ネコか?いや、ネコではな…

ツルチック ー『眠る盃』より

向田邦子さんの随筆(小説も)が好きで,ふと読み返したりします。 思い出や日常のエピソードを簡潔に鮮やかに描き出してらして,そして,時代背景は違えど,「そうそう,こういうことあったなあ」と共感することもあり。 そんな中に,「ツルチック」という…

アイリスへの手紙

高樹のぶ子さんの『フラッシュ バック -私の真昼』というエッセイ集の「母か姉のように」という題名のなかで紹介されていた映画です。フラッシュバック―私の真昼 (文春文庫)作者: 高樹のぶ子出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2003/07メディア: 文庫この商品…

背表紙の紆余・曲折

手元の辞書で引いてみたら,「紆余」も「曲折」も,どちらも“曲がりくねっている”ことを表す言葉なんですね。「紆余」のみで調べたことはなかったので,ひとつ賢くなりました。今年の夏休みは,家でぐーたら本を読む時間も当然ありまして,何かの拍子に,私…

鎌倉または湘南へ

小説や漫画を読む醍醐味は,なんといっても,自分がイマいる空間・時間から切り離された場所へ行ってしまえることにあって,夏の暑い日に,京極夏彦さんの『鉄鼠の檻』を読むのもオツなもんです。(暑さに身をまかせて『姑獲鳥の夏』を読むのも,それはそれ…

蝉しぐれ

もう5-6年前くらいでしょうか?映画が公開されたとき,夫(その頃はまだ結婚していなかったので,彼)と観に行きました。あらすじはほとんど知らなかったのですが,映画の予告とイメージソングになっていた一青窈の「かざぐるま」にひかれて。そして,つい先…

Goodbye, Ray Bradbury

SF作家のレイ・ブラッドベリの訃報が,昨日届きましたね。 ご健在だったことすら知らなかった一読者に過ぎませんが,出会いのきっかけは,村上春樹さんの『風の歌を聴け』でした。*1風の歌を聴け (講談社文庫)作者: 村上春樹出版社/メーカー: 講談社発売日: …

マイ 『ラ・タ・タ・タム』

ふとしたときに, 昔読んでいた絵本,お気に入りだった本を思い出すことがあります。 でも題名も作者も覚えていない。 幼い頃は,背表紙の色味や模様で,お気に入りの本を把握してました。9歳のときに,1度だけ引越しをしたことがあります。 今まで自分たち…

砂の器

何年か前にSMAPの中居君、そして確か去年(だったかな)にも、玉木宏さんでリメイクされていた松本清張作の『砂の器』。砂の器〈上〉 (新潮文庫)作者: 松本清張出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1973/03メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 67回この商品を含む…

多肉植物

何がきっかけだったかは忘れてしまいましたが,多肉植物を育てています。「虹の玉」以外は名前が分からない,ハオルチア属のなにかと,エケベリア属のなにかの,主に3つです。多肉植物に興味をもったものの,どう育てたら良いのかな,と思っていたときに,ネ…

愛すべき娘たち

よしながふみ,さん。 大好きなストーリーテラーの一人です。初めは,独特な線や余白が苦手だったりしたのですが。いまどきの「お見合い」ってこんな感じだよ,というどなたかの書き込みに興味を持って,読んでみた作品です。どのエピソードも読み応えがあり…

しろばんば

お買いものをしていたら突然耳に飛び込んできた 「井上靖の自伝的小説を原作として,映画化...」というフレーズ。 自伝的小説だから,『しろばんば』かな?と帰宅してから調べてみたところ,『わが母の記』という作品だそう。(映画祭などで,すでに話題にな…

YASHA

伊藤英明主演でドラマ化もされた作品。 伊藤さんが回を追うに連れて役に溶けこんできていたのが,いまでも記憶に残っています。一人二役を素敵に演じられてました。 ドラマでの大まかなあらすじやラストは原作のそれとは異なるのだけれど(ざっくり言うと,“…

獣の奏者

知り合いのお孫さんのお薦めで出会った作品。 筆者である上橋さんの研究者としての目も活かされているし, 何より媚びない日本語で書かれているので,小中学生くらいの若い子達にも,ぜひ読んで欲しいと思う作品。 (もちろん大人も楽しめます。大人の方が楽…

影武者 徳川家康

本筋である,影武者の生き様・ストーリーも面白いのですが, もう一つ面白いのは「徳川秀忠」の描き方かなと。目立たない,無害な孝行息子なんて書かれ方がわりと一般的な2代将軍・秀忠ですが,隆慶一郎さんは別の秀忠像を打ち出されていて, 史実と重ね合わ…

おしゃべり階段

どうも,明けましておめでとうございます。今年は,ふと思い出した,くらもちふさこさんの『おしゃべり階段』から。リアルタイム世代ではないですが,手元に残している漫画のひとつです。振り返ってみれば,ささいとも思えてしまうようなコンプレックスに悩…

恍惚の人

古びていないというか,まさに今の時代でも共感できてしまうお話。 「親の介護」という部分だけでなく「女性の社会進出」という部分でも。 シリアス主題なのに,読み進めていると文章からコミカルさも漂ってきて,救われます。恍惚の人 (新潮文庫)作者: 有吉…

有頂天家族

ほんわかと,在りそうで無い世界に遊びに行ける本。 結界を張れる作家さんの一人ですね。 最近はちょっとお体の調子が悪いようなので心配ですが,また新しい作品を期待しております。有頂天家族作者: 森見登美彦出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2007/09/25メ…

時を青く染めて

恋愛小説には「エロス」が欲しいと思うタイプです。 欲望のままにつき進まないことで生じるもどかしさを燃料にして,さらに燃え上がってしまう大人の恋。 そんな恋がしたいわけではないけれど,読む分には楽しいのです。時を青く染めて (新潮文庫)作者: 高樹…

真田騒動 -恩田木工

『剣客商売』へ先に触れたものの、池波作品との初めての出会いは、 この『真田騒動 -恩田木工』です。弟・真田幸村と較べると、あまり表舞台には出てきていない兄 ・真田信幸の魅力にやられてしまう作品。 彼らが実際はどのような人であったのか知りようもな…

剣客商売 -黒白

これで、秋山小兵衛も見納めかと、寂しくなってしまう作品。 しかしながら、書き手がある程度の年齢に達しないと書けないような、ある種の老いや諦観も感じられたりして、味わい深い番外編です。TVドラマ「剣客商売」は、俳優の藤田まことさんが演じられてま…